2005年12月29日

ティナ、義父の元へ


ティナが義理の父親が住んでいる所へ帰ることになりました。僕らには突然のことで、ハルさんやスタッフのティティルなどは泣き出してしまったくらいでしたが、神父さん、そしてチェチェさんにとっては計画があったことだそうです。

ただし、こちらとしても育てる義務を放棄して送り出すわけではありません。実をいうと、ティナは以前から何かあるごとに「義父の元へ帰る」という言葉を、いわゆる切り札的に使っていた節があり、それだったら一度返してみようかという形になったのです。

いよいよ出発。ティナが準備して車に乗り込みます。神父さん、中島さん、チェチェさん、ハルさん、そして自分も車に乗りました。大体車で一時間ほど走ったでしょうか。山中の村に叔父が住んでいるという家に着きました。そして事情を話し、義父の下へ。5分ほど車でさらに山中に入りましたが、それ以上は行けず、歩きとなりました。

そして歩くこと15分ほど。牛に乗った少年がこちらへ来ます。聞くとティナの弟だそう。確かに似ています。そしてさらに歩き、ついに義父との対面。感動の再会かと思いましたが、別に抱きつくこともなく結構あっさりしています。まあ本当の父親ではないというのもありますし、彼女と彼とも以前色々事件があったので、当たり前なのかもしれません。

しかし、この村で本当に生活できるのでしょうか。電気もガスもない。おまけに水道もなくトイレやシャワー、そして飲み水まで家の近くを流れている川で代用しなければなりません。本当に原始的な生活を強いられることになるのです。

神父さんもチェチェさんも、ティナが切り札として「家に帰る」というのを使うので、この生活では確実に戻ってくるだろうと読んでの荒行事にでたのでした。これも教育の一環としてのことです。その証拠に義務の放棄はしていませんし(契約は残っています)、義父にもし彼女が帰って来たいと言ったらすぐに連絡をくれるように言ってあります。

果たして、ティナはいつごろ戻ってくるのでしょうか。神父さんは帰ってきたときにどんな言葉で迎えようかと考えています。僕もティナが帰ってきたあかつきには、笑顔で「おかえり」と言ってあげようと思います。

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